「3年後のeラーニングを予想する。」勉強会レポート

eラーニング業界の仲間同士による勉強会

ネットインフラやモバイルデバイスがここ1~2年でカンブリア的進化をしていることで、eラーニングを取りまく環境も大きく変わりました。そこで、eラーニングビジネスプレーヤーが集まり、eラーニング業界の3年後はどうなっているか、それぞれの立場から予測し、実際に3年後に、予測がどうなったかをレビューする、現状共有+未来予想+タイムカプセル企画を実施しました。

 

 

第一部:プレゼンテーション「eラーニング、3年後はこうなるのでは」

まず、『eラーニングビジネスアウトライン』と題して

  • eラーニングにまつわる数字の推移、市場規模の確認(from矢野経済研究所レポート)
  • 2011年~の教育系ベンチャーのトレンド、その背景
  • eラーニングがこれから向かう方向

を、共通認識の確認として、まとめました。

 

つづいて、参加したみなさんからのプレゼンテーション。

 

田口さん(ビズバレー)

新しいeラーニング規格『TinCanAPI』=LMS主導のeラーニングの終焉を告げる規格が普及LRS(LearningRecordingStore)として「黒子」に徹することで、スタンドアロン型のモバイルアプリやシリアスゲーム、オンライン英会話なども学習ログ蓄積が可能になる。

 

猪野さん(デジタルハリウッド)

3年後、社内ではインフラ(研修も講義も1つのプラットフォームに)となり、ユーザのeラーニングへの抵抗感は下がり、リアルとの連携が深まる。

 

支倉さん(エレファンキューブ)

toCにおいて、eラーニングの定着率は高まる。文教において、端末の耐用年数の問題が出てくる。企業において、スマホでの学習ニーズは高まる。コンテンツの表現手法に新しいものは出ない。

 

青木さん(ロゴスウェア ※発起人)

3年後、子供の方が早くeラーニングが日常化している。学びのポータブル化がすすみ誰もが学習コンテンツの提供者となりうる社会が到来。そこでのeラーニングは「知識をシェアする」ツールである。

 

中嶋さん(クリエココ)

教えあう(協働教育)、使いやすさ(操作で頭を使わない)、勉強を続けたく成る仕掛け(熱中する、ハマる)が実現している。

 

岡田さん(ベネッセ)

小中学校の教科書7,000ページにおいてデジタルは2%しか取り上げられていない現状。3年後は「興味を抱かせる学習コンテンツ」を作り続けられるかが重要視され、コンテンツ設計者がよりプレゼンスを高めてくる。

 

上沼さん(SATT ※発起人)

新しいデータの、新しいデジタルデバイスへの適用がスムースに行えるかが、今後の発展に重要。情報共有の新しい仕組みが生まれてくるのでは。

 

伊藤健二さん(慶応義塾大学)

能動的学習(他の人に発信する学び)へシフトすることが今後のeラーニングを支える。ITを用いた学び方・教え方を習得できると、学習者自身が能動的に学習をすすめる事ができ、かつ「学びの共同体」として組織自体が成長する。人が動くからこそ、コンテンツが動き意味を持つ(コンテンツ自体が成長していく仕掛け)。

 

第二部:ディスカッション(で出たTIPS、気付き)

 

企業での利用

  • システムをぽーんと入れただけでは、学びは得られない。
  • コンテンツ提供者は「教材配信」ができればそれでよし。履歴は提供者側からすると極論「必要ない」情報では。
  • eラン推進担当の目線として、現場から「つまらない」「やっても意味が無い」と言われるのが悔しい。
  • 「学習効果の測定が可能なeラーニングシステム」と標榜するものはあるが、知識ベースとスキルベースとで効果測定のアプローチが異なることもあり、実情はほとんど「ない」。

 

学校での利用

  • 学校教育においてはeラーニングはひとつのツールでしか無い。
  • 国土が広く集合できないUSとは異なり、日本ではeラーニング×リアル学習、というユルい結合を前提とした学習環境構築でもいいのでは。
  • 小中学校への導入において、先生によってはeラーニングは目の敵になる場合もある。

 

最後は、eラーニングシステム業界の御意見番であるビズバレー田口さんのコメントで締めます。

 

「教育はたった3年間では変わらない。eラーニングに陽の目が当たるときは来る。やれることはたくさんある、まだまだこれから。」

みなさんお疲れ様でした。


2012/04/16
於:SATT様オフィス
発起人:上沼 弘之(エスエイティーティー株式会社)
運営:青木 真実(ロゴスウェア株式会社)、小室 吉隆

次回の勉強会開催情報は

Facebookページで発信してます。