最近話題のスマートTV。単にテレビがネットに繋がったこと以上になにができるのか、NHKのなかのひと、浜口さんに解説していただきました。
講師
浜口斉周さん
当日の様子


メモ
スマートTVとは?
ネット接続が可能+アプリによる機能拡張。TVかSTBかは問わない。
実現できること
- VOD
- コンテンツ検索
- 端末連携(スマフォ、タブレット)
- ソーシャルTVなど
盛り上がり
- 日本は盛り下がっている感じがするが、中国US西洋ではイイカンジ。
⇒海外で市場の伸びしろがある。 - スマートTVは影響範囲が広く多様なプレーヤーがいる
⇒まだプラットフォーマーは定まっていない。戦国時代。メーカー>ネット企業>TV局、という現状
日本のTV視聴
- 全部録画という市場は日本独特。
- 今後、TV視聴時間は増えない。
⇒時間あたりの視聴価値を高める方向にシフトする?
←まだ具体的施策は見えていない。 - ハードウェアは各メーカーともに機能はだいたい横並び。
リモコン
- リモコンをなくすか、便利なリモコンか。
⇒前者は理想だがまだ現実的には難しい技術。 - TV視聴時はゲームと違って多様な行動をするため。
スマートTVの重要なポイント
- 視聴率というザックリな情報ではなく、ユーザーの行動データを集めて分析することに価値がでる(ビッグデータ)
⇒プライバシー問題をどうクリアするか=広告にどう反映するか - 広告の出し方の多様化
⇒TV画面で番組を見ている時に、連携しているスマートフォンに広告が出る、等の出し方の可能性⇒デバイスをまたいだ設計がうまくない。 - メタデータを作るのは人力
⇒googleを起点にネットを使う、といったようなイメージで、視聴体験がメタデータ社提供の情報起点となる
⇒メタデータを作る第三者が力を持つ
スマートTVの技術
- 全て既存技術のマッシュアップで実現可能
⇒単なる足し算ではない新たな価値提案が必要。
ソーシャルメディアとTV
- ソーシャルメディアでバズると視聴率が上がる、という相関関係を調査している会社もある。
⇒とはいえ、本当につながっているかどうかは微妙 - ユーザーはどういうときにTVの感想を書くか
⇒期待を(良くも悪くも)裏切られたときに情報発信する
⇒そもそも面白い番組をみて「あー面白かった」とは言わない
視聴率とソーシャルビューイング
- 放送中に視聴率が高かった番組がすなわちソーシャルビューイングの度合いが高い、ということは全くない。相関関係は見られない。
ソーシャルキャタリスト(触媒)
- 自らは変化せずユーザー同士を結びつける仲介を行うモノやサービス
⇒テレビ番組がその役割を果たす?(学校で番組について話す感じ)
←触媒であることを意識した情報流通のトータルデザインができたら勝てる? - IDの統一化は今後ありうる?
⇒充分有り得る。GoogleもFBも狙っている。
ヨーロッパは規制の方向に、韓国は背番号が既に付与。日本は?
感想・コメント

ユーザー目線として、スマートTVのキーとなるインターフェースはなに?今までと違う視点でTVが進化した、という感じは受けない。

実証実験の話がありがたかった。キラーがまだいない。アプリマーケットは来るのか?ツール系は難しそう。アプリというよりプラグイン的思考が良いアプローチ?

混沌とした時期であることが分かった。陽の目を見ないコンテンツが浮かび上がるのは面白い。期待感はある。

スマートTVが何か分かった。ビジネスとしてはまだ黎明期。これからチャンスがあるはず。データ分析が面白そう。

スマートTVをハコとして見てたが、そうじゃないことが深くわかった。

ユーザー視点と異なる視点があることがわかった。単なるソーシャル化だけではない、広い可能性がありそう。
2012年6月15日 於:コクヨ様ライブオフィス@霞が関