日本有数の豪雪地帯として知られる新潟県と長野県の県境に、「越後妻有」はある。200の集落が点在し、棚田の稲作で生計を立てる越後妻有はかつて、過疎化と高齢化が進み社会生活が困難なレベルに陥る限界集落と言われた地域だ。
この里山が見いだした突破口は「アート」だった。
「アート」を介した地域づくりに、「現代の企業や個人が抱えている限界」を超えるヒントがある。人と自然との距離感を取り戻し、アートを介した地域づくりで変革を遂げた「越後妻有アートトリエンナーレ(大地の芸術祭)」の挑戦に迫る。
講師
関口正洋さん
http://www.facebook.com/masahiro.sekiguchi.12
NPO法人越後妻有里山協働機構事務局長として、「大地の芸術祭」に向けたアーティストと地域のコーディネート、棚田・空き家の保全活動などを行う。大手金融会社を経て現職。東京大学医学部健康科学科卒業。
「過疎地域の空き家、田んぼ、廃校などの退廃的な要素をフロンティアと捉え、アートとつなげることで変革を起した事例から、限界を超える「一歩を踏み出す勇気」を見つけていただければと思います」
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本勉強会は、「働くしくみと空間をつくるマガジンWORKSIGHT」と、KnowledgeCOMMONSのコラボ企画です。
WORKSIGHTはコクヨ株式会社が企画発行する、働く環境を考える企業キーパーソンに向けた、ワークスタイル戦略情報メディアです。企業が抱える経営課題に「働く環境(=空間インフラ+制度インフラ)のリデザイン」という視点からアプローチしていきます。年2回発行の紙媒体【MAGAZINE版】と、随時更新のインターネット媒体【WEB版】の2つのメディアで主に展開しています。
また、編集部が主催するイベントとも連動して、「働く環境を考える企業キーパーソン」のコミュニティ作りも目指します。
http://www.facebook.com/worksightjp
当日の様子




感想・コメント

アートはなぜこうも影響力の強いものなのか?もっと知りたかったです。

地域住民の為に開催するイベント。としての「アートイベント」であるなら、「人と人とをつなぐ」音楽やスポーツのイベントとの差別化が難しいのではないだろうか。 また、今回で最後の開催となった場合は、屋外に半恒久設置されている作品は どうなるのかなと思った。

率直におもしろいことをやられているな、というのが感想です。 悲喜こもごもいろいいろあろうかと思いますが、頑張っていってもらいたいです。

NPOってほんとにやっていけるの? あと、ARTで人を繋いだり、地域を活性化させたり、自分のなかにはない発想だったので斬新でした。

地域活性にアートをどう活用したのかを、苦労された点を含めて伺えたことがよかったです。周囲の巻き込みについては、本当に泥臭く日々苦労されたことが、とてもよくわかりました。

日本の地域活性化には、地域に外部・都市部の人間が入っていくことが重要というのは殆どの人が認めることですが、実際に地域にどっぷり漬かることができる覚悟や条件を持っている外部の人間はごくわずかです。私は、地域と外部の人間のゆるい、うすい繋がりを長期間にわたって形成することが大事だと考えています。そのツールとしてのアートの魅力を感じると同時にアートを万能薬として考えてはならないことも認識しました。
2012年7月3日 於:コクヨ様ライブオフィス@霞が関