「経費の本質を学ぶ」勉強会レポート

浅川弘樹税理士・公認会計士

ITビジネスを中心に起業する人が増えており、KnowledgeCommonsの関係者にもその傾向は見られます。そんな方達のサポートができれば、と思い企画しました「経費の本質を学ぶ」!
講師は、浅川綜合会計事務所の浅川弘樹さん。大・大好評だった「税務調査マーケティング」の、あの、浅川さんのご登壇アゲインです! 浅川さん、本当にどうもありがとうございました。

「経費の本質を学ぶ」勉強会風景

 

 

そもそもグレーゾーンが大きいのが経費の本質。

税法が認める経費の要件は皆さんもご存知の通り「仕事で生じた費用」と、「生活費でないもの(混同する場合は明確に区分できる経費のみ経費と認める)」です。
ただ、そう簡単に白黒つけられるものではなく、経費の意味合いをどう解釈するか/されるか、で結果が異なるのも事実。そんなファジーな仕組みである前提で、経費というものを捉える必要があります。

100%利益を得たい納税者(経営者)と、なんとしても30%の利益(税金)を持ち帰りたい税務署とのせめぎ合い。

そう、税務署にとって税務調査はビジネスなのです(前回のおさらいを兼ねて…)。

 

その経費にストーリーはありますか?

経費が経費として認められるかどうか、特にグレーゾーンといわれる経費の場合は納得できるストーリー(説明)を提示できるかどうかにかかっています。

ミラーニューロンということばがあります。他人の言動に共感し、あたかも自分がそれを経験しているかのように感情が伝播していく人間に備わった性質のことを言います。恋人や夫婦の顔つきが似てくるというのもミラーニューロンの仕業、といわれています。

税務調査の場合に置き換えると、ミラーニューロンとはすなわち「共感を生むストーリー」です。税務調査官の共感を生み納得してもらう、要は修正申告を諦めてもらうための、ストーリーがつくれれば経費としてみとめてもらえるチャンスがぐっと高まります。もちろん事実に基づくストーリー、ですよ!

 

グレーゾーン経費のストーリー化  〜クルーザーとフェラーリの裁判事例から

ちょっと現実離れしていますが、実際にあった「クルーザーとフェラーリの裁判事例」からグレーゾーン経費のストーリー化について説明します。

クルーザー(2650万円、接待・福利厚生目的)と、フェラーリ(2700万円、社長の通勤と移動が目的)、どちらも会社の経費で購入しました。

経費として認められたのはどちらでしょうか?

こたえはフェラーリです。ストーリーがあり、かつ、業務で使用した痕跡(書類等)があったことがポイントになりました。

『私はフェラーリのような外車を3台保有しています。2台は私費で購入、1台は社用車として私の通勤や、社員と一緒に商談に出かける時に使っています。社員のモチベーションも高まりますし、取引先には車好きも多く、会話が生まれ、それがきっかけになり契約に結びついたこともありました。ガソリン代等は社内の規定に沿ってきちんと精算しているんですよ。』(事実に基づき作成したストーリーです)

どうでしょう? ああ、なるほどね、となりませんか?

一方のクルーザーは、福利厚生とクルーザーが結びつく社内規定がないなど、ストーリーが成り立たず、税金徴収となったそうです。

 

語り過ぎのリスクも知っておきましょう。

これまでお話してきたことと逆のことを言っていますね。でもこれ、とても重要なことなんです。

税務調査官は雑談をしたがります。雑談、と見せかけて実は情報収集しているのです。

税務調査官:「(社長の部屋にゴルフの雑誌が置かれているのを見て)社長はゴルフが趣味なんですか?」
社長:「ええ、趣味はゴルフです。もうかれこれ30年。」

と、経費として処理したいゴルフの領収書がでてきたとします。すると、たとえ仕事を兼ねたゴルフだったとしても、「ゴルフは趣味ですよね?」と切り返され税金を払うために…

税務調査はビジネス。すなわち駆け引きなんです。だから、余計な話はしないこと。

 

 

浅川さん、いつもながらキレの良いユーモアあふれるプレゼンテーションと、質疑応答という名の個別相談(笑)にご対応いただき、本当にどうもありがとうございました!

 

2015/6/24
於:楽器カフェ
講師:浅川 弘樹さん(浅川綜合会計事務所
(記 山口)

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