「WEB・アプリ改善会議 Vol.1」勉強会レポート

WEB・アプリ改善会議

みなさんこんにちは。ライターのあこと申します。今回参加させていただいたのは、ナレッジコモンズ第42回「WEB・アプリ改善会議 Vol.1」。

「Webサービスやアプリをリリースしたけど、イマイチ伸びない……どうすればいい?」
「問題や課題はわかったけど、どこからどう手をつけたらいいのかわからない!」

そんな、「改善」に関わる悩みを持つ方々と、そんな悩みを解決するためのサービスを提供する方々が話し合う会です。

登場したのは全部で4つのサービス(とそれを提供する4社の方々)。改善の各フェーズごとに合わせたサービスが登場し、「改善」についてお話してくれました。

 

「そもそも何を改善すればいいかわからない!」

おそらく、Webサービスやアプリをリリースした誰もが、共通して一度はぶつかるだろう「リリースしたサービスがイマイチ伸びないけれど、何が悪いのかよくわからない」という問題。簡単にいえば「どこを直すか」問題です。

クリエイターズネクストが提供する「KOBIT(コビット ※8/27リリース予定)」は、Googleアナリティクスのアクセス解析をもとに、改善のための「意思決定」を提案してくれるというもの。

「今日は何を食べようか」「何時にどこへ行くか」など、ちょっとしたことでも常に選び、決定しなければならないのが人間というもの。

もちろん、WEBサービス・アプリの改善のためにも「どのページから改善すべきか」「どんなABテストをするべきか」など、改善以前にしなければならない意思決定が山ほどありますよね。

人間1日に意思決定をする回数は、なんと平均70回にもなるのだとか。しかも問題なのが、1日に意思決定をできる回数は、もともと決まっているということ。

つまり、毎日いろんなことに悩みすぎていると、かなーり効率が悪いってことです。

クリエイターズネクスト 窪田さん
クリエイターズネクスト 窪田さん

ところで、人が必要としている情報の意思決定をできるのって、人間だけではないですよね?たとえば大量の計算や分析など、「機械」のほうが得意なことも多い。「機械のほうが得意だけど人間でもできる」ことは、当然、機械にやってもらったほうがいいに決まってますよね。

WEBサービスの改善という面でそれを実現してくれるのがWebアクセス解析レポート自動生成サービス「KOBIT(コビット)」

このツールは、
・アクセス解析および分析のデータをパワーポイントの形式で吐き出す
・Googleアナリティクスの各数字をもとに出した分析レポートを自動作成
・分析後の予測、改善提案まで行ってくれる
というのがポイントです。

ただレポートを作成してくれるだけでなく、数字の結果をもとに分析し、その時点でどこをどう改善すればいいかまで出してくれるのです!

つまり従来の定量分析ツールに比べ、かゆいところに手が届くと言えるのではないでしょうか(PDFで吐き出されてうまく活用できない(編集できない)、分析に時間も労力もかかりすぎている……など)。

これでまず、「どこを直すか」問題の第1フェーズは解決でしょう。

 

「具体的な改善ポイントは見つかった!…で、どうする?」

オンラインマーケティングの開拓者であるブライアン・アイゼンバーグは、コンバージョンを改善しないままアクセスを増やすことを「穴が開いたバケツをいっぱいにするために、穴を詰めずに水を入れ続けることと同じ」と表現しました。

コンバージョンを上げたい企業がやっている施策の1位は、A/Bテスト(約67%)。なんとここ5年この順位は変わっていないと言われています。

A/Bテストの問題といえば、細かく要素を変更して、何度もテストをしたいけれど、とにかく手間も時間もかかるところ。テストのせいでサイトに問題が生じてしまっては、ユーザにストレスを与えてしまい、本末転倒になりますよね。

バリュードライブ ネイトさん
バリュードライブ ネイトさん

LPO・A/Bテストツール「VWO」は、Webサイトを構成するあらゆる要素をテストできるというもの。数秒でサイトの要素を切り替えられるので、効果が良くないと思ったらすぐにテストを止めることが可能となっています。

サイトによって来る人はもちろん違うし、その目的も、理由も、もちろん異なる。さらにいえば。ユーザが何を好み、何に影響されるのかは、ユーザ自身ですら気づいていないかもしれません。

だからこそA/Bテストは一度ではなく、必要に応じて実施を繰り返すべきというわけです。仮説を立てる、検証するという流れは「続ける」ことが何より大事。

 

さて、ここまでで「どこを直すか」という問題はほとんど解決しそうです。

 

「Web上だけでは改善ポイントを知る限界が…どうする?」

「KOBIT(コビット)」と「VWO」はまず、「どこを直すか(何を改善すればいいのか)」という問題を解決してくれました。

それはあくまでWeb上のユーザー行動をもとにした解析および分析まで。まだまだ知らなければならないこと、やらなければならないことはあります。

たとえば
・人間の心理データ
・次のアイデアの検証
・競合に勝つための情報
といったこと。

そのために有効なのがユーザテスト。でも、人を集めるのは大変。さらに、同じような属性の人をそろえるのはさらに大変!

ポップインサイト 池田さん
ポップインサイト 池田さん

そこで有効なのが、株式会社ポップインサイトが提供する「リモート・ユーザテスト」。なんと、いつでも、指定した属性のユーザにWEBサービス・アプリを利用してもらうことができるというものなのです……!

あらかじめ登録しているユーザたちに属性を投げかけると、それに合ったユーザが立候補。テストを開始すると、利用状況を録画、さらにあらゆるポイントに対してコメントもくれるという優れもの。

これによってユーザ心理や、そのWebサイトやサービス、アプリを分析することが可能となります。

たとえばページ内でよく見られている箇所があるとしても、それがポジティブな理由で見られているとは限らない場合もあります。

このサービスでは、その箇所を見た理由まで答えてもらうことができるので、ユーザ心理をよりリアルに得ることができるのです!

つまり、アクセス解析・分析やA/Bテストなどで「どこを直すか」の手がかりを得たうえで、ユーザテストを実施することにより「どう直すか」を知ることができ、組み合わせることで初めて情報が生きる! というわけ。

 

これで、ユーザ視点でのサービス・コンテンツの良し悪しがわかります。

 

「作ったのはWEBサービスではなくスマホアプリ。どうすればいい?」

アプリのグロース支援SDK「Repro(リプロ)」を提供する平田祐介さんは、今回3回目の起業。

Repro 平田さん
Repro 平田さん

2回目に起業した会社が破産寸前に陥ったとき、彼が出会ったのは「GhostRec(ゴーストレック)」というツール。ユーザのマウスの動きやページ遷移を録画し、再現、それによってユーザ行動を分析できるものです。

そのとき知ったのが、ユーザ心理を理解するということの大事さ。

実際にユーザの傾向を知り、反映させたところ、コンバージョンが250%増したのです! その経験を活かしたいと考えていたところ、スマートフォンアプリで同じようなことを実施できるツールは展開されていませんでした。

Reproのアプローチとしては、
1. リテンション(顧客の維持)分析でマジックナンバーを特定する
2. ファネル(目的達成までの各フェーズの離脱率)分析で1の達成を阻害するプロセスを特定する
3. ユーザ行動の観察で2を阻害する要因を特定・改善する
……という流れ。

簡単にいうと、ユーザがリピーターになるためにどこに何が足りないのかを定量分析と定性分析で明らかにするということです。

 

「そもそもマジックナンバーって何?」となっているかと思うのでここで解説。

たとえばツイッターはユーザ分析によって、サービスを利用しなくなってしまう人とそうでない人の境界が「初回登録時に5人以上フォローをしたかどうか」にあるということを明らかにしました。

そこでチュートリアルに「5人以上フォローさせる」フローが組み込み、ユーザ数を格段に伸ばしたと言われています。

つまり「マジックナンバー」とは、新規ユーザに体験させることでその後の継続率が劇的に上がる「ユーザ行動×回数」のこと。それを明らかにするために仮説・検証が必要であり、それをReproが支えてくれるということ。

 

さて、4つのサービスによって「どこを直すか」「どう直すか」という、改善に必要なふたつがそろったわけですが……それぞれを提供する企業の方々は、改善に対してどんな意見を持っているのでしょうか?

ちょっとだけ、パネルディスカッションの内容もお届けします。

改善会議パネルディスカッション

まず、「定量データと定性データの使い分けとは」というもの。

Reproの平田さんは「定量的データで課題を発見し、改善策を提案するために定性的データを使う」とのこと。

リモート・ユーザーテスト提供するポップインサイトの池田さんは「アクセス解析があっても、みんながそれを理解できるわけではない。説得材料として定性データを使うことができる」と話しました。

確かに、数字を見せられてもどうすればいいのかわからない、理解ができない人は結構いるもの。それでも「これだけの人がこう思っています」とよりリアルな様子や言葉を見せられれば、理解がしやすく、説得材料として有効ということ。それはもちろん数字の根拠がありきではあるので、定量データと定性データのどちらも不可欠と言えるでしょう。

また、VWOを提供するバリュードライブのネイトさんは「A/Bテストの定性的データを定量化することはある程度できる」と話します。定性データも数や収集期間などによってはそれを定量化でき、より改善に生き、説得材料としても生きる情報となるでしょう。

 

次に、「そもそも改善のプロセスを定着させるために重要なこととは」という質問。

Reproの平田さんの場合「改善に関わる会議に出席した人以外は改善に参加させないなどして、改善のためのプロセスがどれだけ大事かを定着させ、ちゃんとやる意識をつけさせる」とのこと。

また、KOBITを提供するクリエイターズネクストの窪田さんは「くだらないアイデアを出せば出すほど改善できると思っている。僕はあえてくだらない話をすることで敷居を下げ、空気を変え、発言しやすい状況を作ることで活発にしている」と話し、改善のためのデータがきちんと生きる状況づくりの重要性を話してくれました。

実際、今回のイベントの参加者アンケートの中には「データに頼ると人は迷子になると思っていてあまり好きではなかったが、日々の会議がブレストで終わってしまわないように地図として機能するのがデータだと気づいた」という感想が。

つまり、定量データ・定性データ・そしてそれらのデータがきちんと生きる状況づくり、この3つがあって改善プロセスは回るということ!

 

ほかにもパネルディスカッションでは熱い議論が繰り広げられましたが、それは参加者の方々のみのお楽しみということで……。

WEB・アプリ改善会議の様子

このイベントは、第2回も実施予定があるとのこと(時期は未定)!次回も良質な情報と熱い議論が期待できること、間違いなしです。ぜひ楽しみにしていてくださいね!

 

2015/8/5
於:OrangeLabsTokyo 様
講師:
株式会社クリエイターズネクスト 代表取締役 窪田 望 氏
バリュードライブ株式会社 アソシエートディレクター シュリラ ネイト 氏・代表取締役 深尾 尚之 氏(パネルディスカッション参加)
株式会社ポップインサイト 代表取締役CEO 池田 朋弘 氏
Repro株式会社 代表取締役CEO 平田 祐介 氏
記:あこ

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