「UXデザインをふだんの仕事に、カジュアルに取り入れる方法を学ぶ」勉強会レポート

「UXデザインをふだんの仕事に、カジュアルに取り入れる方法を学ぶ」勉強会レポート

今回は、ナレコモでグラレコ(二代目)をしてくださっている原田さんのご登壇。勉強会の運営サイド自らがプレゼンターになる機会は、ナレコモだと極めてレアケース。お引き受けいただき本当にどうもありがとうございました!

原田さんは、UXデザイナーとして業務においてUXデザインを実践しつつ、大学院で理論もしっかり学ばれてこられました。「実行なき理論は空虚、理論なき実行は無謀」などと言ったりしますが、その両方の経験を積んでいらっしゃるということは、すなわち『向かうところ敵なし!』な方ですね。

「日々の実務でUXデザインを実践している経験から、教科書的なことではなく、私が感じたリアルな出来事をお話しします!」というごあいさつで、勉強会がスタートしました。

 

UXデザイナーとして ~私は、これで、生きていく!

原田さんは、大学で広報を学び、新卒で印刷会社に入社し、営業を担当。2012年にUXデザイン支援で有名なネットイヤーグループに転職します。つまり、UXデザイナーとしてのキャリアを歩み始めたのは、ネットイヤーグループに入社してからです。入社してから現在に至るまで、寝ても覚めてもUXデザインを実践する日々が続いています。

グラレコとの出会い ~IA(情報設計)との出会いです

グラレコを初めて目のあたりにしたときは「話していることが可視化されることに衝撃を受け、さらにそれを使って説明できるということにビビビっと来た」そうです。原田さんがちょうどアシスタントUXデザイナーからUXデザイナーに昇格したタイミングだったそうで、「必殺技が欲しかった」ことから、グラレコをやりはじめたそうです。

多くのUXデザイナーの中で一歩も二歩も先にいく、もしくは、自身の差別化のために、「原田さんはグラレコ(グラフィックレコーディング)もできるから!」という付加価値をつくっていきたかった、とのこと。このアグレッシブさ、キャリア形成にはとっても必要なことだと思います。

UXデザインの勉強会風景

 

大学院へ行く ~理論=型を知る大切さを学びました

さらに「人間中心設計プログラム」を学びに産業技術大学院大学へ。その理由は… 「UXデザインを業務として実践していましたが、なんとなく“グラグラしている“感じがしたので、土台を作りたかったんです」と原田さん。「リアルタイムでUXを実践しているので勉強しにいくというよりは、もっと良い方法を探る、盗む、といった感覚ですね」とのこと。

学んでみて、3つの気づきがあったといいます。

  1. 土台、もうありました!グラレコも含めて、日々業務で実践していることが土台としてすでに十分なものだったと再確認できました。
  2. Human Centered Design(HCD)の基礎的背景を理解できました!
  3. 苦しい時間をもともにする「仲間」の重要性を改めて感じました!

大学院に通っていた時期はちょうどグラレコの勉強中だったことから、座学の授業はスケッチノートでリアルタイムに授業内容を可視化していたそうです。仕事をしながらの受講、殴り書きメモですら大変なのに(笑)機会をしっかり捉えるあたり、さすがとしか言いようがありません。

 

仕事での応用 ~UXセミナーを企画しました

卒業後、新たなチャレンジとして、ネットイヤーグループ主催のUXデザイン研修プログラム「UX School」を企画・運営することになります。

扱ったテーマは、プランニング手法、ペルソナ/ ジャーニーマップ作製、事務局の開設と運営方法などでした。「1回2時間、全10回のプログラムを企画して講師も務めました。あくまで実務ベースのUXデザイナーとしてのアプローチで、産技大のそれと異なる内容でした」。

主催側と参加者が“ひとつのプロジェクトチーム”という視点も、School運営上のこだわりのひとつ。研修会場の空間や音楽も演出しました。

初回ということもあり認知度の低さがネックではありましたが、そこはプロ。UXデザインに関係する人たちが集まる媒体への露出など、さまざまな手法で定数24名に対し、3倍の受講生が集まったそうです。

UXデザイナーのはらだひろこさん

 

今回のテーマでもあった「UXをカジュアルに取り入れる」って、どういうことなんでしょう?

「目の前の人を幸せにすること。その感覚がUXデザインにおいて大切なことなのです」と原田さん。これが最も「UXデザイン“らしい”考え方」なのだそうです。タスクに追われると「幸せ」という感覚、忘れがちですよね。

「私が考えるUXデザインとは、夢を描き、その達成に向けて行動し続けること。あったら素敵だな。こんなことしたら相手が喜ぶだろうな、と、想像力を働かせながら、ちいさなUXをたくさん積み重ねていくと、その先に大きなUXが待っているかもしれません」。

参加者さんからのコメント

  • UX的な思考を鈍らせないよう日々続けられる事は何か?その答えは日常にある。UXの実践の場はプロジェクトだけじゃないよ、という事。まさに我が意を得たり!なお話が聞けてよかったです。
  • UXデザインのエッセンス的なものを散りばめながら、色々な話が聴けて良かっです。
  • オリジナルなノウハウ系の話をもっと聞いてみたくなりました。ネットイヤーさん他で、秘伝のタレ化しているUX奥義を一目でも拝めたら、もう思い残すことはありません。
  • 携わったプロジェクトに、UXデザインの実践によってどのような効果をもたらしたか、聴きたかったです。

本日のグラレコはこちらです。

 

はらださん、ありがとうございました!

(記:山口)

 

小室の感想

当日参加された方々の多くは、デザインの手法やフレームワークなどのメソッドを聴きたがってたように見受けました。

ですが、そういう「ググれば出てくる話」はあえてしない、というご判断の元、原田さんがご自身の成長過程において、どういうことを考え行動したか、というまさしく「実践」をプレゼンすることで、その「行為の裏にある意図=デザインされた行動」を提示し、その提示を通じてUXデザインの日々の実践を伝える、という、ハイコンテクストな3時間でした。

UXデザインの素養がある方々にとって、自身のあり方を見つめ直すきっかけになっていれば、企画サイドとして幸いです。

(技法的な話を聴きたかった方が多い場合、別の場所でいつかそのうち小室が話しますw)

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