フィーチャーフォンからスマートフォンにビジネスがシフトしつつある現在、スマートフォンビジネスのなかでも上場企業をいくつも生み出している成長産業「ソーシャルゲーム」は、いったいどのように作られ、運営されているのかを、最前線で陣頭指揮をとるソーシャルゲームディレクター森谷 哲さんにじっくりお話いただきました。
ソーシャルゲームの開発・運用現場においてどのようなディレクターが求められているか、プロジェクト管理・クオリティ管理・モチベーション管理といった、ディレクション時に重要となる業務の実際的・具体的な話がメインです。
ソーシャルゲームディレクターは管理がキモ
- スケジュール進行管理
- クオリティ管理(デザイン、ユーザービリティ)
- モチベーション管理(スタッフの士気が一番重要?)
3つの管理を行うディレクターは、「プロジェクトのハブ」であるという自覚が必要。
ゴール設計とモチベーション管理
プロジェクトが始まった時点の想定と、実際の進行状況は大きく異なる場合があるため、ゴール設定は実際のところ曖昧なままスタートする。そのようなプロジェクトでは、売上のゴールは設定/共有しつつ、スタッフのモチベーションを小さいサイクルで上げる仕掛けを、ディレクターは考える必要がある(森谷さんは「アイスと焼肉」)。
ディレクターの資質
ソーシャルゲーム業界は組織階層で仕事を回すよりもスピード感あるPDCAにもとづき仕事を回す必要があるため、ディレクターの判断に基づく素早い対応が求められる。そのため、ソーシャルゲーム業界でやっていけるディレクターは「柔軟」かつ「スピーディ」な思考を身につけていることが多い。
「ソーシャル」要素を盛り込む判断ポイント
ユーザー同士が協力しあう仕掛けを、どれだけ&どういうバランスで盛り込むか、を判断する。判断ポイントは主に3つ。
- ゲームをソーシャルメディアで紹介する行為(プロモーション)
- ゲーム内で他プレーヤーと協力しあう行為(縮小傾向)
- アプリストア上のレビューを良く書かせるための仕掛けを組み込む
その他、ソーシャルゲームの歴史や現状、ディレクターが行うべき管理の詳細については、ぜひスライドをご一読ください。とくにディレクター初心者にとっては「ソーシャルゲームディレクター養成基礎講座」とも言うべき必読のスライドです。
SocialGame 20130130 KnowledgeCommons vol.19 from KnowledgeCOMMONS
感想・コメント
モチベーション管理ダイジ。再確認。
周りに優しくしようという気づき。いいきっかけを得られた。
どこのディレクターも苦労してるなあぁ。
アプリ単体開発よりもスピーディな対応という点が驚き。
大手Sierとは考え方が全く異なる。世界観を共有しミッションを遂行する、というソシャゲの仕掛けは一つ大きなポイントだと改めて理解。
ソシャゲの作り手の健康状態はヤバイなあ。
スピードとクオリティの両立がハードそうに見える。
ゲームを真面目な業界にいれるにはちょっと大きな壁がありそう。
ロジカルな方が多い業界との橋渡しを一緒ににできたらイノベーションにつながる?