「住宅業界を知る。」勉強会レポート

人生で1,2番目に大きい買い物と言われる、住宅。賃貸が良いのか、持ち家が良いのか、戸建てか、マンションか、主体的に学ぼうとしないとなかなか知ることができません。

そこで、住宅業界に詳しい甘利さんに業界について解説していただきました。

購入と賃貸の違い

購入も賃貸も、生涯出費としてはじつは大差ない。とすると、選択するポイントは「自分が何を求めているか」による。
購入は、「満足度」「カスタマイズ性」において優位。
賃貸は、「ライフスタイルに柔軟」「メンテナンス不要」な点が優位

「投資」として考える

「戸建ての購入」という選択肢は微妙。日本の住宅は買った時点から価値が下がり(財務省が耐用年数を規定)、3~40年住むと修繕コストなどでTotal1,000万くらい必要。

資産という観点では「マンションの購入」のほうが優位

良い立地のマンションは転売可能なチャンスがある。また、資産価値としてもウワモノの建設物ではなく土地が評価される。都心ならなおさら。

住まいについて

家を建てる

「在来工法」が日本で最も主流。木材を使った建築で、風土的にもやはりマッチしている。「ツーバイフォー工法」は欧米から輸入された方法。ここ40年くらいの技術で耐震的にかなり頑丈、だがその一方、密閉度が高いため、カビが生えやすい等、日本の風土にマッチするかは微妙なところ。

工務店に頼もう

地元工務店方がハウスメーカーよりだいたい2割くらい安い。仮にお願いした工務店が潰れたとしても、「住宅完成保証制度(損失した差額を保証、継続して工事する会社をあっせん)」により救済策はある。

木造は良し悪し混在

火事の際に「家屋が崩れるまでの時間」が、実は一番長い(逃げ出す余裕がある)。そこだけ見ると木も良さそうだが、土壌汚染の影響で木も有害物質を出してたりしてます。

耐震

日本の住宅の耐震レベルは世界一。

1978年、宮城県沖地震後に抜本的見直しを実施
1981年、新耐震基準 ※これ以降の物件の方がより強固
1995年、阪神大震災を元に、耐震改修促進法が施行
2005年、姉歯事件 ←耐震偽装問題により規制強化

耐震工法の違い

耐震構造 地震が起きた時に建物の中にいられる(倒壊を防ぐ)
制振構造 高層部と下部の揺れをぶつけて相殺(高層マンション)
免震構造 基礎工事時に免震装置を入れる(コスト高)

住まいを考える

かっこいいものは体に悪い。

例えば、フォースター(F☆☆☆☆)=ホルムアルデヒドの放散を防いでいるかどうかの基準。これが優秀だと「ホルムアルデヒド」を出さない、という点で良いもの、のように感じるが、フォースター制度は、アセトアルデヒドは対象外。人体には、ホルムアルデヒドよりアセトアルデヒドのほうが、よっぽどタチが悪い

炭、危険。

炭は有害物質を吸い込むが、吸い込んだ物質を貯めこんでしまい5~6年で飽和状態になるため、長期間、洗わず天日干しもせずに置いとくと、じつは危険。

コンクリートは有害物質の塊

ネズミの実験のおはなし(木、鉄、コンクリにネズミを住まわせると、コンクリに住んだネズミが先に死ぬ。しかも圧倒的に早く)。

他、住宅にまつわる様々なTIPSをぎっしり詰め込んでいただいたスライド、ぜひご覧ください。

Housing Business_20120302 KnowledgeCOMMONS vol.12 from KnowledgeCOMMONS

感想・コメント

感想1

売る側の話と実態とのギャップが見えた。

感想3

目から鱗。「眼に見えないもの」がわかって良かった。

感想4

家に対する考えが変わった。「カッコヨサ」ではなく「住みたい家」を考えるコトが重要だとわかった。

感想6

賃貸?買う?という基準ではない知識を得られた。

感想2

社会にいろんなしがらみがあるんだなぁ。

感想5

住宅、という1テーマで、多角的な観点で考えるポイントがいくつもあったことが面白かった。

2012/03/02
於:株式会社アルコバレーノ様MTGスペース
講師:甘利 由照さん

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