小室です、久々にまとめを担当します。
開催からちょっと時間が経ってしまいましたが、71回目のナレッジコモンズは「デザイン思考」について。トリムタブジャパンの中谷健一さんに講師としてご登壇いただきました。
中谷さんご登壇について
中谷さんとは2000年代後半に知りあわせていただいておりました。当時フィーチャーフォンビジネスに携わっていた方なら聴いたことあるでしょう「モバイル夜間大学(通称”モバ大”)」で、「モバイルマーケティング」の講師をされており、受講したときが最初の出会い。
私が勝手にマーケティングの師匠と仰いでいる方のお一人で、「まさか10年後に自分が主催している勉強会に講師として登壇してもらえるとは…」と、ナレコモ当日は一人でこっそり感激してました。勉強会を続けてると良いことありますね。
講義のアウトライン
そんな中谷さんの講義、タイトルからして「CX(顧客体験)」と「EX(従業員体験)」を向上させる「体験デザイン入門」と、1つ取り上げるだけでもそうとう奥深いテーマを3つ一気に取り上げるという、意欲的な回でした。
実際の勉強会は、体験をデザインすることの基本的なアプローチである「観察」の重要性を説くことから始まり、ユーザー体験をデザインすることが企業の収益に対してどれだけ貢献するか、企業が体験のデザインを成功させるためにフォーカスすべきポイントや基本のステップ、企業が体験デザインと向き合う際には「覚悟」が必要、といった話をじっくり講義していただきました。
その後、体験デザインにあたって鍵となる考え方「デザイン思考(デザインシンキング)」について、概念や背景を詳しくご説明いただいた後、体験デザインを実際に実行するためのフレームワークとして「デザインスプリント」を紹介いただき、短い時間の中でも実現可能なワークを、参加者全員で行いました。
ちなみに後からお聞きしたのですが、当日中谷さんがファシリテートされたLDJというスタイルのワークショップ、もしかすると日本で初のメソッドだったかも、とのことでした。海外の潮流をしっかりウォッチしててすごい。
当日のまとめ記事は…
…と、ここまで読んで「具体的な中身は!?」と思われた方が多いかと思いますが、ご安心ください。参加者のおひとりで、アクセス解析サービス「KOBIT」を提供しているクリエイターズネクストの窪田さんが、「参加途中に勉強会のまとめを書き終える」というミラクルを涼しい顔で起こしておりまして、そちらを読んでいただければ、当日の詳細がおわかりいただけます。
窪田さんありがとうございました。神!
デザイン思考の本質は「グループジーニアス」
窪田さんによって神まとめを作成いただいているので、私が伝えるべきは、中谷さんが講義のなかで強調して言及された「グループジーニアス」について。
グループジーニアスとは「凡人の集団は孤高の天才に勝る」という考え方だそうです。
読んで字のごとく、日本企業の風土にマッチしていると思いません?Apple社のジョブズを生み出そうにも、出る杭は打たれやすい日本の企業にとって、集団で物事を考えて、しかもそれが天才を凌駕できるとなれば、採用しない手はありません。
具体的に集団の天才性をどのように感じられたか、それは、実際に中谷さんのワークショップを体験いただくのが一番早いですし、私もうまく言語化できません。強いて言うならば、デザインスプリントの手法には、グループメンバーの属人性を透明化して、肩書きや地位、立場にとらわれない合意形成を積み重ねるための仕掛けや工夫が満載で、それがジーニアスを生み出している、という感じでしょうか。
参加者の声
今回まさかの「全員回答」!。もしかしたらナレコモ初かもしれません。一部抜粋してコメント掲載しますね。
「今日はこれが聞けてよかった!」
- デザインスプリントを短時間で体験させられること。
- CX・EX推進時に「ディズニーランド推し」しないこと。
- デザインスプリントという概念を知れた。
- NPSの具体的な回し方を知れてよかった。
- 実際に変化を実感できるのには2年以上かかるということ。会社を説得するのに「2年後は今とは見違えるほど変わっていますよー!」と言おう。
- デザイン思考という言葉は知っていましたが、具体的な中身を一言で説明できるようになったのがよかったです。
- EX向上の具体的なフローと考え方がわかりやすく素晴らしかったです。
「◯◯についてもっと聴きたかった/知りたかった」
- 投票(数)で決めていってしまうため、参加者間で解釈が分かれていそうな場合の進め方や対処が知りたかった。
- 現場を盛り上げるための事例を知りたかった。
- デザイン思考を取り入れた成功事例をもっと聴きたかった。
- 時間軸を入れたNSPの運用方法を知りたかった。
- デザインスプリントをもう2周くらいしたかったです。
- 思考方法についてより深く知りたいと思いました。
- 非常に面白かったです!ワークだけやる会とかも次回お願いします!
- 十分聞けました!
「今回のテーマについて、正直なところ私はこう思っている。」
- 前例や固定概念、バイアスといったものは一切排除して考えると言う事は、とても難しく、手法などをよくわかるファシリテーターが居ないと進めるのは難しい概念かと思った。
- eNPSが、cNPSにつながると、僕も思います。
- 刺激的すぎて、最初から最後までめちゃくちゃ面白かったです!
せっかくの師匠のご登壇に、拙いにも程があるレポートではありますが、小室から伝えたいことは、「顧客体験」「従業員体験」をより良くしたい、とお考えの方は、中谷さんにご相談してみると、いろいろ見えてくるものがありますよ、ということで。。
なお、勉強会のあと、中谷さんの会社のコーポレートサイトもリニューアルされたらしく、まさにCX・EXど真ん中のご支援を打ち出されていらっしゃいました。要チェックです。
中谷さん、ありがとうございました。
(小室 記)