「金融に関する知識が今なぜ必要なのか?」から始まり、
・預金や国債とは
・投資の基本的な考え方
・世に出回っている金融商品のアウトライン(株式、債券、投資信託、預金・貯金、保険、不動産)
・確定申告のメリット
などなど、学校では教えてくれない「金融についての基礎知識」を、証券会社で活躍されている西川さんに教えて頂きました。
今回の勉強会は、いつものようなディスカッションを通じ新たな知見を創り上げていく、というよりも、講義形式のいわゆる「セミナー」を予定しています。そのため、金融のプロフェッショナルよりも、「金融ってとっつきにくいなぁ」「やっぱり金融って知っておいたほうがいいのかなあ」と考えている方や、「金融に興味があるけどとっかかりが分からん!」という方にご参加いただけると、得られるものは大きいかと思います。
世話人の私見
ことお金に関して、日本は「みんなの前でお金についていろいろ話すのは恥」といった風潮がなんとなくあるため、表立ってディスカッションすることを避ける傾向にあると感じています。べらぼうに稼ぎが良かったり、身近に金融のプロがいたりすればなんら問題ないのかもしれませんが、私を含め「金融に関して実際は無知同然」という方は意外と多いんじゃないかなと思い、そういった方にこそ、是非ご参加いただきたいなあ、と思っています。
ワンポイント
金融をテーマにした勉強会やセミナーだと「セミナーの後に主催者から金融商品を売りつけられるんじゃ?」といった不安や怪しさがあったりするようですが、そのようなことは一切しませんのでご安心ください。そのような事態になりましたら、世話人がしっかり処置いたしますので遠慮なくご相談ください。
当日メモ
「金融に関する知識が今なぜ必要なのか?」という問題提起から始まり、
- 投資の基本的な考え方
- 世に出回っている金融商品(株式、債券、投資信託、預金・貯金、保険、不動産)
- 預金や国債とは
など、学校では教わることがなかなかできない金融の基礎知識=金融リテラシーを、某証券会社に勤める「お金のプロ」に、教えていただきました。
日本人は「死ぬとき」が一番お金持ち。
日本人の大半は、金融のことを学ぶ努力をあまりせず、身近な誰かに言われたままに従うだけ。「武士は食わねど高楊枝」というスタンスは、外からは一見「かっこいい」ように見えなくもないけど、実際は「金融について学ぼうとしてない」ことへの言い訳でしかない。そして、高度経済成長期やバブル経済のときは「何もしなくても」お金は増えた、そんな時代に金融リテラシーは不要だった。
けれど現在、金融庁の調査では「将来のお金」に不安を抱いている人の割合は90%もいるのだが、そのうち80%は「何も手を打たない」人たちである。結果として、お金について正しい知識をみにつけず、ただただ漠然と将来について不安を抱き、支出を拒み、死ぬ間際が一番のお金持ちになってしまう状況が生じる。
お金は死後の世界にもっていけない。であれば、正しいお金とのつきあい方=金融リテラシーを身に付けることが、(お金持ちになる、という意味ではなく)精神的にも経済的にも「豊かな」暮らしを営むために、必要なのである。
歴史と未来の仮説
帝政フランスやワイマール共和国など、膨大な借金を抱えた国で、返済しおえた国は歴史上ひとつも存在しない。かれらは借金をどうしたか?ハイパーインフレをおこし、借金自体の価値をなくすことで、問題をないことにしてきた。インフレになると、「物を持っている人」のバリューが高まり、お金「しか持っていない」人のバリューは低くなる。つまり、インフレがもし見えているなら、お金についてしっかり知識を身につけておくことが、望ましい。
金融リテラシーの必要性
- 日本人は全然金融のことを分かっていない。
⇒言われたままに従う。
⇒金融機関はそれに生じて手数料を荒稼ぎする。
←売る方も悪いが、買う方も悪いのでは? ⇒リテラシーのベースアップが重要 - これからの必須知識は、英語/IT/金融リテラシー
- ユニクロも金融で稼いでいる(ある国で安く手に入れ、ある国で高く売ることで、利ざやを稼ぐ
- 人生の三大支出(住宅、教育、老後)も全てお金に絡む話。なぜ自ら学ばない?
- 「お金の話ばかりしてていやらしい」という意見は、学んでないスタンスの言い訳。
- 金融庁の調査~将来のお金について不安を抱いているのは90%、だが、80%は何もしていない
- 日本人は死ぬときに一番お金持ち。
- 1990年代は何をしなくてもお金は増えた=リテラシーは不要だった。今は自ら主体的に金融知識を学ばなくてはならない時代。
金融リテラシーの基本的な考え方
重要なことは「パーセンテージに惑わされず、実際の金額を考える」スタンスである。
- 50%OFF=1,000円のものが500円で買える
- 20%OFF=100,000円のものを80,000円で買える。
このとき、パーセンテージに騙されない理性的な判断力をまず身につけることが、金融リテラシーを身につける第一歩(どっちが得か?後者である)。
…と言った話にはじまり、他多くの金融についてのナレッジをスライドに詰めてくださいました。
国債
- リスクの低さは、国債>銀行。
- 銀行は国が破綻する他に、銀行自身が破綻する可能性がある。
- 銀行の10年金利~0.15%
- 国の10年国債~1%
⇒銀行は国債で回している=差分0.85%は銀行の儲け。 - 国債の利率はリスクの基準値
⇒1%を超える金利=何がしかのリスクがある。
⇒1%未満の金利=どこかが儲けている。 - 日本国債がリスクの基準となる。
- 国債をたくさん発行すると、負債も増えるが資産全体も増えるため、B/S自体が膨れるだけ(日本が潰れることはない?)
⇒ギリシアのように、国債が外貨建てで買われていた場合、総体とした資産が目減りするため、破綻する。
←日本国債は国内で買われているボリュームが大きいため、ギリシアの二の舞になるリスクは低いと考えられる。 - 日本が破綻した場合、ハイパーインフレになる(ロシアやアルゼンチンが過去例)。
⇒円安になる=輸出企業が儲かる
⇒経済が復活する。 - 悲観に走る必要はない、ただし、危機感はもつことは重要。
期待値
- 確率で考えると、麻雀パチンコは良い(?)ギャンブル。宝くじは期待値が低い。
- 本当に良い金融商品商品=説明しづらい=売りづらい&大体において天井を付いている=負ける。
- 毎月分配型のファンドで金利25%とか本当にありえない(日本国債が基準→25倍)
→売りやすいように最初は配当金を払いまくっているケースがある。 - 分配型→税金がかかっていることがある=税金リスクを隠している。
- 普通に出会う金融機関の方は「販売のプロ」であり、運用のプロ(澤上さんのような方)は本当に一握りしかいない
⇒自分で金融について考えないとならない。
外貨預金より外貨MMF
- 外貨預金は銀行が潰れるリスクはあるが、外貨MMF(証券会社が運営する外貨預金)は信用リスクがない=証券会社が潰れても預けたものは保証される
⇒外貨預金よりも外貨MMFのほうがメリットが大きい。 - 海外の金融機関で運用して利益がでたとしても、(現地ではかからないが)日本では雑所得として50%課税がかかる。
- 100万を超える送金は国税局はしっかりみていて、当局から追跡される。
保険
- 日本人の97%が加入している、ただの金融商品。
- 保険は「死ねば儲かる」ギャンブル。やりすぎないことが重要。
- 保険の期待値は40%⇒60%は保険会社の利益である。
- 人が死ぬ/病気になるリスクを調整することで価値を変えてる。真贋入り乱れた金融商品。
- 保険の基本は死亡保障。
- 死亡保障~会社に属している限り、会社が保障してくれる保障は実は大きい。
- 医療保障~日本は公的な健康保険制度がとても充実している=高額医療(10万以上)は国が出してくれる制度
→医療保険は最低限で充分では?(また、事前申請すれば窓口で差額だけ払えばよかったりする。つまり手元に現金がなくても大丈夫)。 - 生存保障(貯蓄性保障)~今の低金利で固定されるため、今はいるのはもったいなさすぎる。
不動産
- 不動産の利回り試算はだいたい1.1%なのに、不動産価値は完成してから下がる一方。
- 購入メリットは、不動産価値が高まっていない限り、支払った額以上の価値にはならない⇒利回り1%だけど元本価値が下がる金融商品はどうなんだろう?
- ただし、不動産のメリットは税制が結構優遇されている。
⇒住宅ローン控除~(働いていれば)10年くらいは金利を一部返還
⇒相続税評価~現金よりも低い価値として相続時に見積もってくれるので、相続時のメリットは大きい。
まとめ
- 人に責任をなすりつけるのではなく、「自分の学びが足りなかった」という思考に。
- 大きく儲ける方は最初にたいてい損している。
感想・コメント
金融商品の種類についてっとてもためになりました。
金融商品は営業マンが言うことや広告を鵜呑みにしてはダメ。
ヒヤっとさせられた話としては不動産、医療保険に関すること。
生命保険の話が自分の知識不足で理解出来なかったので、もう少し聞きたいと思いました。
各所得によって税制が違うので、それを使った節税とか聞いてみたいです。
甲乙つけがたいですが、インフレについて掘り下げた話が1番面白かったと感じました。
日本国債の話、72の法則、海外送金、保険、不動産についてためになりました。
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若林栄四さん「ニューヨークからの便り」
2011/11/07
於:カフェミヤマ渋谷東口駅前店
講師:西川 芳和さん(某大手証券会社勤務)