ナレッジコモンズは「リテラシーのベースアップ」をミッションの一つに掲げています。ではリテラシーとは一体なんなのでしょう。
Wikipediaなどで「リテラシー」という単語の用法を調べてみると、本来の意味である「情報リテラシー」にはじまり、「メディアリテラシー」や「コンピューターリテラシー」など、さまざまな使い方があります。そのなかで、以前ベネッセさんが定義していた
- 解き方を覚えるのではなく、違う問われ方でも知識や技能を使いこなせる「応用力」。
- 情報を正確に読み取り、問題点を整理しながら筋道立てて考える「思考力」。
- 自分の考えを、相手に対してわかりやすく伝える「表現力」。
というリテラシーの3つの定義が、ナレッジコモンズとして考えるリテラシーに近いものがあります。
では具体的に思い描いているイメージはどういうものなのか、ナレッジコモンズとしてどのような「リテラシーのベースアップ」を図りたいのか考えた結果、次の4点が、「リテラシー」の必須要素ではないかと考えています。
- 情報を手に入れる力
- 情報を貯めておく力
- 情報を引き出す力
- 情報を利用する力
これらについて、ナレコモなりにそれぞれ考えてみました。
1.情報を手に入れる力
必要としている情報にたどりつくまでの経路は多種多様です。例えば「google先生に聞く」という行為ひとつをとっても、
- どういうキーワードで聞けばいいか
- 絞り込むにはキーワード同士どういう組み合わせがいいか
- たどり着いた先のWebサイトは信頼できるか
などなど、必要な情報を手に入れるために、色々なことを日々無意識に判断しています。この判断力も含めた「手に入れる力」が、情報リテラシーの第一歩ではないかと考えます。
2.情報を貯めておく力
日々の情報量が格段にふえているいま、脳内に記憶しておける情報の量は限りがあります。そんな現在だからこそ「情報を(外部記憶装置に)貯めておく力」は重要になります。
具体的には、
- 情報をどこに貯めるか(ITツールの活用法)の選定
- 情報をどのように貯めるか(系統だったカテゴライズ)
というスキルであり、おそらくこれらは習慣的に身についている代物であるため、より自分にあったスタイルを身につけるには、自身の行動を内観し改善する、という工夫が重要になります。例えば私は、紙copi、IDEA Tree、Evernote、Dropbox、GoogleDrive、が、主要な外部記憶装置ですが、それぞれの使い方はネット上でTIPSがたくさんおありなんじゃないでしょうかね。nanapiとかnaverまとめとか。
3.情報を引き出す力
貯めこんだ情報は、冬眠前のリスよろしく土に埋めたところで勝手に花開いてくれるわけではなく、そのままでは何の役に立たない、どころか、データを食うだけの害にすらなります。
情報は活用してこそ、意味があります。活用するためには、貯めこんだ情報を適切なタイミングで「引き出す」必要があります。
トレーニング方法としては「対象の書籍のなかから必要な情報に素早くたどり着くために”目次を活用する”読書法」をみにつけるとか、「自分が知りたい情報を知っている人に快く教えてもらうためのコミュニケーションスキル」などが考えられますね。
4.情報を利用する力
ルー大柴風に言うと「GetしてStorageしてPickUpした情報は、当然のことながらuseして」初めて価値が生まれます。
「情報を利用するjとは、具体的には、情報と人・情報と他の情報をつなげることで、そうやって初めて情報は新たな価値を生み出します。
もしくは、自分でつかいこなすことだけが「利用」でなく、
- 必要としていそうな人に適切なタイミングで伝えられること
- 付加価値として手元の情報へ肉付けする
といったことも「利用する」ことです。
ナレッジコモンズは、当面は、さまざまな分野に関する勉強会を開くことを通じて、その分野の情報、もしくはその分野に詳しい人=講師を、参加される方々につなげられれば、リテラシー向上の一助になるかな、と、稚拙ながらも考えています。