2010年は「クラウド元年」だそうです。それから1年が経ち、常日ごろ耳にする「クラウド」の定義はほんとうに人それぞれで、ある人は「サーバーサイドのソリューション」、ある人は「ASPサービス」、ある人は「インフラ」、ある人は「ストレージサービス」、ある人は「コストダウン」、と、混迷の極みを呈しており、まだまだいまでも「クラウドで導入したいんだけど~」「おたくのクラウドっていくらすんの?」等、実情にそぐわない表現を耳にすることがあります。
そこで改めて「クラウドとはなにか」を、業界の前線で活躍しているFixer社の田鎖さんに、お話いただきました。
クラウドとは「”所有”せずに”利用”する」もの
「水道」(使った分だけ)
「賃貸」(出入りしやすい)
「安心」(大企業が提供)
「拡張性」(スケーラビリティ)
クラウドの歴史
2006.03 amazon、amazon S3ローンチ
2006.06 エリック・シュミット、「クラウドコンピューティング」と表現
2006.12 amazon、EC2ローンチ
2008.01 SalesForce、Force.comローンチ
2008.05 Google、GoogleAppEngineローンチ
2008.10 Microsoft、WindowsAzureローンチ
2010.01 Nifty、NiftyCloudローンチ
クラウドを理解するための比喩の比較
車を買う⇔新幹線に乗る
金庫を買う⇔銀行に預ける
●aaSを正しく理解する。
オンプレミス~土地を買って、自由に設計して家を建てて(自前で構築)。
IaaS~賃貸。部屋を借りたけどがらんどう、後は自由にして(Amazon)。
PaaS~ペンション。部屋も家具も料理器具もある、けれど料理は自分で作って(Azure)。
SaaS~ホテル。部屋も家具もあるし料理も出る、けれど部屋の中は選べない(Gmail)。
クラウドで何が変わる?
IT利用環境(マシン性能に極端に依存しない)
企業経営(IT部門がインフラ保守から開放される)
ライフスタイル(あらゆるものがクラウドに繋がる)
働き方(ロケーションフリー、他者とのコラボ)
クラウドのデメリット
機密情報の取り扱い(コンプライアンス的に問題ないか、社内情報を外部に置くことへの懸念)
オンライン状態(インターネットに繋がっていないとならない・ネットワーク遅延にともなうレスポンス低下)
青天井の請求、になりそうな懸念
アプリケーションとインフラの責任の分岐が曖昧(切り分けが難しい)
感想・コメント
クラウドの定義がわかった。
この業界の将来がどうなるのかが気になる。先が見えない。
セキュリティとクラウドの切っても切れない関係。
プライベートクラウドとオンプレミスの違いって微妙。
良い復習になった。セキュリティへの心配が関心が高い、という点が気づきになった。
知らない事だらけだった。もう何でもありやん。セキュリティの心配が消えなかった。
基本を知れた。スケーラビリティが縮小という点もあるという点が新鮮だった。
2011/12/22
於:株式会社FIXER様MTGスペース
講師:田鎖 美穂さん