FacebookやLinkedInなどビジネス利用されるSNSの普及を背景とした「ソーシャルリクルーティング」とはどういうものか、人材業界の中の人に聞いてみたいというのが今回の企画の発端でしたが、「どのように採用とソーシャルをつなげるか」という話だけではなく、「企業がソーシャルメディアとどのように付き合うべきか」を考える時間になりました。
1.企業とソーシャルメディアの理想の関係
B2Cサービスや小売事業者など、消費者とダイレクトに向き合う一部の大企業にしか採用活動や製品PRなどのソーシャルメディア活用は効果を発揮できず、多くの中小企業にとっては、ソーシャルメディアは対外的・広報的な利用法ではなく、
- 社内スタッフの相互理解を促す場として
- 業務状況のリアルタイム把握
などに活用した方が、組織のエンパワーにつながり、結果的に売上につながるのでは、という仮説。言い換えると、人材業界として見るソーシャルメディアは、「企業内の仲間がどういう才能やスキルを持っているのか」という、既存の人間関係を改善し強化する点にもっとフォーカスして活用していく方がビジネスチャンスにつながるのではないだろうか?
企業がソーシャルメディアを導入するために
「情報発信」と「情報統制」の二律背反状態を解決する必要がある。
- 情報発信~人材育成を上手につなげる(教えることで自らが学ぶ)
- 情報統制~企業やブランドを汚す「リスクがある」ことを会社は嫌がるため、リスクに対するガイドラインを策定
ザッポスは攻めの情報統制
「私たちは最高のカスタマーサポートの会社である。」とソーシャルメディアで宣言⇒「自分たちの企業文化をシェアできない人とはサヨナラ」(情報発信ガイドライン=統制)
ソーシャルメディアを運用するにふさわしい意識とは
企業のファンを育てるための「おもてなし」の意識であり、「自分たちの企業をいかに楽しく理解してもらえるか」という観点が必要。
2.採用活動におけるソーシャルメディア
新卒市場の「セルフブランディング」って?
プロフィール、実名、ライフログ公開などなど言われるが、学生は「業務未経験」なため、それらを行うことに本当に意味はあるのか?
採用時の企業のソーシャルメディア利用
パトリオット=ピンポイント検索。当人の発言の傾向から、自分たちと合うかどうか、リスクが高いかどうか、を、「なんとなく」判断する。一方、学生も馬鹿ではないので、防衛用に捨てアカウントを持ったり、そもそも公開設定を限定的にしていたりするため、実際的ではなかったりする。
他、ソーシャルメディアの数値的現状や、メディアかコミュニティかという考察、【Webual】という野村さん独自の考え方など、詳しくはスライドをご覧ください。
野村さんのスライド⇒Social Media-Corporate Use_20111007 KnowledgeCOMMONS vol.7
2011/10/07
於:株式会社FIXER様オフィス
講師:野村 謙次さん
感想・コメント
多くの会社において、個々人の能力/ナレッジのシェアは上手くなされていないのでは?
ソーシャルメディア、対外的な利用法(販売促進)よりも、社内向けの相互理解促進や状況把握に使った方が、結果的に売上につながるのでは?(一部の大手B2Cサービス/小売事業者以外)
ソーシャルメディアはやってみないと分からない。
言いたいことをいう(対決)のではなくダイアログ(対話)。草の根しかない
埋もれたナレッジを掘り起こしたい。そのためのツールとして使いたい。
依存しすぎると危険。コミュニケーションの基本はリアル。