いまホットな「ECサイト(商品やサービスを独自運営のホームページ上で販売するサイトのこと)」をテーマに、日本ではまだ数少ないデータサイエンティストの市川堅太郎さん(株式会社サムブレイン 代表取締役)をお迎えして行われました。
GW大型連休前日、お仕事終わりのウキウキ気分の折にお集りいただき感謝、感謝です。
「楽天」の店舗数は4万、「Yahoo!ショッピング」は2万、「EC-Cube」は2万と、いま、日本にはものすごい数のECサイトが存在しています。リアルの店舗との大きく異なるのが、購買行動をすべて記録できる点。リアルの店舗ではPOSデータなども活用されていますが、それらは購買行動のごく一部を反映しているに過ぎません。
最終的な購買のみならず、そのプロセスを含め集まったデータをどう集計し、メッセージを抽出するか、データに基づく施策を提案するのがデータサイエンティストというわけです。
なぜいま、ビッグデータなのか。
ECサイトではすべての行動が記録されるのでそれをマーケティングに活かしましょう、というのがビッグデータブームの背景です。どのように分析したら、どういう結果が得られて、セールスが拡大するのか。それをどの企業も知りたがっているのです。なんとなく気付いている法則をデータに基づいて検証することのほか、いままで気付かなかった法則をみつけるためにも、ビッグデータの活用が重要といわれています。
ビッグデータを活用すると…
「紫外線に注意しよう、というニュースが流れると帽子が一気に売れた。」この背景にビッグデータの活用があるとしたら…
- 昨年の、特に帽子のセールスが伸びた日の紫外線情報を天気予報APIで取得
- 何日間連続で「注意レベル」に達すると帽子が売れるかを検定
- 法則に沿ってタイムセールやメルマガを出す
- 帽子が売れる
シンプルにお伝えすると、こんなプロセスであります。
そこでデータサイエンスの必要性!
商品やサイトの目的に基づいて「推測し、仮説を立て」、「解析を設計」し、「検定」し、お客様に提案する。推測・仮説は、ふだんの生活のなかの気づきから構築するのだそう。解析や検定はデータサイエンティストの妙技といいますか、ここでは語り尽くせない深?い世界ですので、市川さんイチオシの書籍「Rによるやさしい統計学、The R Tips(いずれもオーム社)」をご参照くださいませ。
データやファクトを扱うといつつ、目のつけどころ(推測・仮定)が大事という、サイエンスと感覚と、相反するものの融合で成り立っている、それがデータサイエンス。ビッグデータをチャンスと捉えるか、効率化によって伸びしろが減ると考えるか、データを扱う側のセンスが問われる、なんとも捉えどころのないファジーな側面を持ち合わせる、それもデータサイエンス。
確実なのは今後しばらく優秀なデータサイエンティストは争奪戦になるだろうな、ということかもしれませんね。
感想・コメント
過去の解析の過ちに気づいた。
「視点」は普段からビットを立てている必要があるな、と感じた。
データを活用できる可能性は感じたが、情報をどう扱うか、活用するためのノウハウが複雑そう。成功例を蓄積して貰いたい。
「気づき」と「解析」の両方を有する人材欲しい。
データを引き出す/分析する、といった「視点」は業界問わず重要だ、ということが分かった。
サイエンス×感覚(マーケティング)。エンジニアリングと視点の共有。
マーケター≠物売りで、企業のブランド価値を高める職種。
そのためのKPIを定義できる人材。元々の目的の重要性。