「とあるホテルに入社したての新人さん」という設定から始まった、ナレッジコモンズ60回目。
今回のレポートは山口さんに変わり小野が担当します!今回はワークを中心に「大人のためのマナーとは何か?」を、某一流ホテルの覆面講師さんにお話いただきました。
おもてなしの心を大事に。相手に心地よく過ごしてもらうには?
私たちはお店に行ったとき、当たり前のように接客をされますね。
気持ちの良い接客、心地悪い接客と様々ありますが、「どんな対応をしてくれると、自分は嬉しいと感じるか?」について、普段感じていることを思い出しながら、参加者同士でディスカッションをしてもらいました。
みなさんのコメントの一部をご紹介
- 声をかける前に気づいてくれる、意図を汲み取って対応してくれる
- ペースを乱されない構われすぎない、心地よいと感じる距離感
- 表情や対応など、お願いしやすい雰囲気
ディスカッションから見えてきたキーワードは「自分のことを見てくれている感!」
自分のことを見てくれている、何をしてほしいのかを大事にしてくれるという実感が、心地よく過ごせるポイントなのですね。
心地よい空間づくりとは”オーケストラのように”一人一人がおもてなしの心を大切にしながら、チームでつくりあげていくというお話が印象的でした。
心地よく過ごしてもらうために実践している5つのこと
1.主役を引き立たせるための「身だしなみ」
ホテルでの主役はお客様。主役を引き立てるための、上品な振る舞いやアクセサリの選び方や、身だしなみなど細かく徹底されているとのこと…。その徹底ぶりにみなさん驚きを隠せないようでした。(アクセサリを身につける際には1つだけつけて良いなどなど。すごいですね…!)
2.印象を左右する「表情」
表情とは、その人を印象づけるもの。なので、例えば口元が笑っていても、目元が笑っていないと「笑顔」という表情が伝わらないとのこと。確かに!笑顔の人といると楽しく感じますし、印象がぐっと変わりますよね。
とはいえ、笑顔を作るのが苦手という方もいらっしゃるので、笑顔を作る際のポイントを教えていただきました。
覆面講師さん直伝!笑顔のトレーニングとは?
「普段使っていない筋肉を使うことで、笑顔は変わります!」という掛け声とともに始まった、笑顔トレーニング。このトレーニングをすることで、目元の筋肉がゆるみ、笑顔の印象も変わるとのことです。ちょっとしたスキマ時間にできるので、ぜひ皆さんの試してみてください。
目玉を上下左右に動かしてぐるっと回す、目をぎゅーっとつむりパッと目を開く
ポイント
1.笑顔は相手も変えられる、伝播するということを意識するとGood!
2.笑顔を作ることで、自分が楽しくなる力もあります!
3.挨拶
アイコンタクトにも2種類があり、目を合わせる・合わせないで相手の受け取り方が全く変わります。人と目を合わせるということは、「相手のことを大切にしていますよ」ということを伝えられる大事なコミュニケーションです。
早速、アイコンタクトや挨拶の仕方を学んでみました。
4.態度・動作
パーソナルスペースという言葉をきいたことありますでしょうか。パーソナルスペースとは「他人に近づかれると不快に感じる空間」のことで、だいたい目安としてその人の腕を伸ばした距離と言われています。
近すぎても遠すぎても心地よいと感じないので、距離感が大事とのこと。名刺を渡す時にもこのパーソナルスペースを意識しながら、アイコンタクトで相手と目線を合わせ、名刺を見て、また目線を合わせるということが圧迫感を感じさせないコツだそうです。
名刺の渡し方の他にも美しい立ち方や、お辞儀の仕方、物の受け渡しの仕方をレクチャーしてくれました。
参加者の方も、ワークを通じて普段意識していない所作に驚きを隠せないようでした。
5.心地よいと感じる「言葉遣い」とは
正しい言葉遣いとは、相手が心地よいと感じる言葉を使うこと。そして相手への敬意を示すこと。言葉を選ぶこと。
相手が変われば言葉が変わると、心地よく過ごしてもらうためのアンテナを立てることで、改善することができます。心地良いと感じる言葉遣いを探すには、自分の師匠を見つけて、言葉遣いやしゃべり方を真似する。そうすることで「自分も心地よい言葉遣いとは何か?」を習得することができるます。
そしてもう一つ大事なことは、声のトーンとボディランゲージ!
「”ありがとうございます”の一言でも、態度や声のトーンが違うだけで、伝えたいことや相手への印象が全く違うように受け取られます」という講師の言葉に、普段何気なく使っている言葉ひとつひとつを、大事にしないと。と、身が引き締まりました。
お客様から目に見える部分に関して徹底しているのは、お客様をもてなすため。そして自分を整えているものが、自分自身のブランディングにつながります。
マナーとは思いやり
そもそも、なぜマナーが必要なのか?
くつろいで欲しい、素敵な時間を過ごして欲しい、相手がどんな時間を過ごしたいのかを考えるといった、相手を思いやることが大切とお話しされていました。
思いやりの心が組織を変える
組織の成功循環モデルを例に、関係の質が良い組織は、自分が大事にされていると感じることで、アウトプットの質が良くなっていく。ちょっとしたことでも声をかける、相手に丁寧に伝える、気遣いの言葉一つでも、コミュニケーションを取っていくことが大切です。
確かに、組織の中で自分を認めてくれる人、気にかけてくれる人がいるだけで頑張ろう。という気持ちになれますよね。
(私も過去、コミュニケーションの取りづらい会社にいたことがありましたが、だんだん離職率が上がっていきました…。日々のコミュニケーションをとるということは大事なことですね)
最後に原田さんのグラレコ(ハーベスト)
職場だけではなく、家族や身の回りの人との関係性をよくするためにもマナーは必要だと感じるよね。
という実感とともに、「とあるホテルに入社したての新人さん」の研修もこれにて終了!
みなさん、お疲れ様でした!
講師プロフィール
大学卒業後、都内一流ホテルにて国内外のVIPへのおもてなしを経験。その後人材育成専任部署の立ち上げメンバーとして、社内の育成体系・研修企画に携わる。